世界観

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「“精神体の暴走”」

その日、研究所から突如一匹のモンスターが現れたことから事件は起こった。
そのモンスターは人々が今まで太刀打ちして来た相手よりも遥かに凶暴で強く、
人々は突然街に現れた脅威に慄いた。
多くの人々が命を落としたのだ。
モンスターはその一匹に止まらず、日を追うごとにその数を増やし、
ヘクトの町は壊滅状態となる。
ヘクト以外の町の人々は自警団の応援を送るが、
それでも歯が立たない。
人々が絶望を悟ったある時、
1人の魔法術士がモンスターに向かって手をかざすと、
モンスターはまばゆい光を放ち、消えてしまったのである。
その様子を見た人々は魔法術士を崇め讃えた。
しかし、その後事件の真実が見えてくると、人々は顔色を変えた。
人々を恐怖に慄かせ、絶望のどん底に落としたあのモンスターは、
精神体にトリツカレた魔法術士の化身だったのである。
魔法術士は我々を脅威に曝すために研究を続けていたのか。
何のために精神体の研究をしていたのか。
問いかけに魔法術士は口を閉ざしたままだった。
人々は憤怒した。 戦争は起こった。
力を持つ者、持たない者の戦争が起こった。
数は圧倒的に後者であったが、その力の前には数は意味を成さなかった。
それでも力を持たない者は戦った。
その争い事に意味があったかどうかはわからない。
ただわかることは、多くの犠牲が出たことと、
今も何処かで続いているということである。

メルヴィン=クレメント・著 『戦争と魔法術士』


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 魔法
魔法

■この世界で魔法とは

: この世界での魔法というのは、誰でも使えるものではなく、そういった能力を持った家系、
: 若しくは能力を得るために過酷な修行を積んだ者(それでも実際に使えるようになるのは稀)でなくては
: 使えない能力のことをいいます。
: 普通の人間は大抵、魔力を抑えきるだけの精神力を持っていないため、
: 無理やり魔力を体に流し込むような行為をすると死に至るケースが多いです。


■精神体・モンスターとは

: 精神体とは、世の中に存在するあるエネルギーのことです。
: このエネルギーは一般的に霊的なものとされ、魔力のような力を持ちながら意思を持っており、
: 行動するための身体を必要とします。
: モンスターというのは、野生動物にモンスターの核となる精神体が憑依したものをいいます。
: 憑依された動物は自我を失い、精神体の種類によっては、見かけが変化したり、
: 大きさが変化したり、様々です。
: 精神体は、その憑依した動物を殺すだけでは滅ぶことはなく、
: 新たな器を見つけてはそれに憑依することを続けますが、
: ここ数年で、魔法によって浄化・封印を施すことが可能ということがわかりました。


■人間がトリツカレる?

: 精神体は時に人間に憑依することがあります。
: 魔力のある人間ほど憑依されやすいのですが、
: 力のある魔法術士は自分にそういうものから身を守る術をかけるため、憑依されるというのは
: 本当に稀な話です。
: 憑依された人間は大抵、モンスターと認識されてそのまま命を落とします。



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 戦争
戦争

■40年前の戦争“精神体の暴走”

: その発端は、ヘクトの研究所。
: 40年前のある日、精神体の研究をしていた魔法術士が精神体に憑依され、
: ヘクトの町を壊滅状態へ陥らせました。
: 当時、人間が精神体にトリツカレるなどということは一般的に知られておらず、
: モンスターによる多くの犠牲に憤怒した人々は魔法術士から力を持たない者への宣戦布告と考え、
: 戦争が起こったのです。


■今も続く「誰もが理由を知らない争い」とは

: 今はだいぶ沈静化してきましたが、争いは小規模ながら、各地で続いています。
: “精神体の暴走”以後、国内では精神体が原因不明の増殖をし、
: 多くの魔法術士がトリツカレ、命を落としました。
: それが争いの沈静化の理由でもあるのですが、一番の理由は戦争を嫌った穏健派の魔法術士が
: 国の文明発展に貢献したことでしょう。
: しかし、過去の歴史から魔法術士を忌み嫌う者は減らず、
: 小さな喧嘩が武力行使の争いに発展することも少なくありません。
: 4年前のヘクト暴動事件以来、目立った争い事は起こっていません。


■政府実験と4年前の暴動事件

: 40年前以前から精神体の研究を続けていた研究所では、8年前から、政府実験と名付けた
: 極秘の実験が行われています。
: どんな実験が行われているかは、関係者以外、誰一人知る者はいません。
: 4年前、この実験により被害を受けた人間が、政府や研究所に不満を持つ兵士を集め、
: 政府を襲撃する暴動事件が起こりました。
: 事件の詳細は極秘裏にされ、死者、生存者の報道もされることはありませんでしたが、
: 最後まで実験の真相が知れ渡ることのなかった現状がそれを物語っています。
: 今でも実験は行われているようですが定かではありません。



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 文明
文明

■人々の生活水準

: 明かりはランプやろうそくが主流でしたが、
: 最近では魔法エネルギーを利用したランプ(電力を利用した電気照明のようなもの)が増えました。
: ほとんどの人々の生活の中には蛇口をひねって水が出る環境が整っています。
: 移動手段は徒歩、馬車、船等があります。


■通信局ネットワーク

: 通信局とは、各街の魔法術士が管理する情報交換所のことです。
: 魔法のネットワークが繋がっており、他の村の状況を知る事や、こちらの情報を伝えることが出来ます。
: 人々の情報伝達手段である手紙よりも早く、確実なため、急ぎの用に利用する人が多いです。
: また、情報屋は通信局から他の村からの依頼情報などを入手します。
: 中心街であるヘクトから遠く離れた小さな村には、ネットワークが及んでいません。


■町を守る民間警察「自警団」

: 各町村におかれている自警団とはいわゆる民間警察です。
: 町中での抗争や、モンスターの襲撃などが起こった際に、彼らは町の人々を守るために存在しています。
: 満20歳の男児から参加でき、人口の少ない村では所属が強制になっていたりします。



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 物語の舞台
ティエラム地方地図

物語は、ヘリオスムーンの彼らが住むティエラム<Tierram>という国が主な舞台です。
※町それぞれの具体的な特徴すべてが本編で触れるとは限りません。
Hect 【大都市ヘクト】
: ティエラムの首都。
: 国を統括する政府と、魔法術士の研究所の建物を中央に構え、
: 国内各地の情報や物が集まる町です。
: 魔法による文明の発達がどの町よりも著しく、国内最大の通信局が研究所の傍にあります。
: 中央広場の時計塔は、40年前の“精神体の暴走”のときも絶えず時を刻み、
: 人々に希望を与えました。
: ヘリオスムーンの2人は、町の西にある宿を兼ねた酒場「Seraphina(セラフィーナ)」を拠点にして
: 各地で活躍しています。
<主に舞台となる話:プロローグ、第2話、最終話>


Techna 【港町テクナ】
: 遠方の国からの物資が集まるヘクトの隣町。
: ティエラム国内への輸入品以外に、隣国ミアルエナへの輸出品もここに搬入された後
: 運搬されていくため、港には多くの船が出入りし、停泊しています。
: 海外からの異国人が多く訪れ、生活している町です。
: またその性質上、ヘクトよりも外洋からの情報を入手し易いので、
: 「情報の町」とも言われています。
: 造船技術が発達しており、最近では魔法エネルギー動力の船を造るのが主流です。
<主に舞台となる話:第2話>


Strand 【海岸の村シュトラント】
: 海岸に隣接した小さな村。
: 漁業が盛んであり、ここでしか味わえない新鮮な魚介類があります。
: ヘクトのような大都市の喧騒も無く、長閑なので、訪れて休暇を過ごす人も少なくありません。
<主に舞台となる話:第3話>


Veil 【緑の町ベール】
: またの名を「花の町」という自然に溢れた町です。
: 通年して温暖な気候のため、花や野菜、果物等の栽培が盛んに行われています。
: 通信局等の魔法を利用した施設も一応備えられていますが、
: “精神体の暴走”でヘクトから疎開した一部の老年世代は、あまり良く思っていないようです。
: 町の東に広がる「ベールの森」の奥には魔力を帯びた場所が存在するとされ、
: 精神体が集まりやすく、年に数回、ヘクトの研究所の人間による調査が行われています。
<主に舞台となる話:第4話>


Shurainy 【シュレイニの町】
: ウィンの故郷。
: 国内有数の武器の町であり、住民の経歴は様々ですが、元兵士だったり、
: 剣士だったり、戦いに身を置く人間が多い町です。他の町ではあまり見かけない「傭兵」がいます。
: 他の町に比べて、魔法術士に対しての差別意識が薄く、この町に住む魔法術士も、
: 自分が魔法術士であることを公にしている場合が多いです。
: シュレイニの町は前作の舞台で、今作では訪れることはありません。
<主に舞台となる話:無し(前作)>


Ronabel-CT(Corporate Town) 【ロナベル自治区】
: 戦争に反対する人々が抗争から避けるため、10年前に作られた町。
: 町には戦争の原因とされている魔法術士の居住を禁止しているため、
: 通信局等のような魔法利用施設は無く、町の情報員が週に一度、ヘクトへ情報通達をしています。
<主に舞台となる話:第1話>


Ringwood 【リィンウッド村】
: 6年前のとある事件が起こり、この村で魔法術士の話はタブーです。
: よって村に通信局は無く、情報通達は定期的に村の自警団により行われています。
: リィンウッド村特産のハーブティーは優しい甘い香りが国内でも人気です。
:  村の南側にある森にはとても綺麗な泉がありますが、6年前の事件以来、近付く者は誰1人いません。
<主に舞台となる話:第5話>


Clementain 【魔法術士の郷クレメンタイン】
: 魔法術士たちが住む町。
: 人里離れた山の中にあり、魔力を持たない者は辿りつけないと言われています。
: 力を持たない人々から隔離されてきた魔法術士たちは、この地に集まり、
: 独特の風習や生活様式を守り、ひっそりと暮らしているのです。
: クレメンタインでは、力を持たない者と結ばれることを禁じており、
: その禁忌を犯した者は「はぐれ者」と呼ばれ、厳しく非難されます。
<主に舞台となる話:無し>



Mialuena 【隣国ミアルエナ】
: 川で仕切られた先の、ティエラムの隣の国。
: ミアルエナはティエラムとは違い、王制を敷いている小さな国です。
: 今回の作品ではミアルエナは登場しません。
<主に舞台となる話:無し>




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